【注意】「人がいないから」を理由の雇用にはNG!開業時の雇用の必要性と求人方法

開業時の忙しさを考えて人材の雇用を考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、条件を満たしていなければ、人材の雇用で経営状態を悪化させてしまう可能性があります。本記事では、雇用の必要性や雇用の条件、求人方法などを解説します。

目次
・雇用の必要性
・開業時の雇用
・求人方法
・面接
・面接後の対応
・求人をかける前に理解する事
・労働環境の構築
・社員採用について
・求人 採用まとめ

雇用の必要性

開業後には、「正社員やアルバイトを雇用するか」を考えなければなりません。この章では、雇用について考えるべきと求人をかけるタイミングを解説します。

雇用が必要な理由

開業後には、正社員やアルバイト、パートの雇用を考えることでしょう。雇用を考える理由で多いのが、「人がいなくてお店が回らないから」。しかし、それは大きな間違いです。開業したてのオーナーが陥ってしまうのが「スタッフありきで開業する」という事。大前提として開業する際には、自分1人でも最低限お店を回すことが出来るような環境とオーナーの力が必須です。万が一の事態に備える事が必要なのです。

求人をかけるタイミング

求人をかけるタイミングは、
 お店に十分な利益が出ている時
 人材の雇用で利益が増える状態である時
の2つです。
まず、人材の雇用にはコストがかかります。人材の雇用で人件費が多くかかり、利益が残らない可能性もあります。そのため、十分な利益があるうえで雇用する必要があります。

十分な利益があることに加え、人材の雇用で利益が増える状態であることも重要です。十分な利益があっても、人材の雇用で利益が増えなければメリットがありません。雇用することで、
 営業日を増加できる
 営業時間を延長できる
 ピーク時の回転率を上げることができる
 増店できる
上記のような「利益に貢献できる場合」に、求人をかけるようにしましょう。

「十分な利益が出ている」「雇用で利益が増える」という2つの条件以外で求人をかけると、経営状態を悪化させるため、絶対に行わないでください。

開業時の雇用

身内や信頼できる方に勤務の協力を得られる場合は、求人をかけないことをおすすめします。もし、協力が得られない場合や、どうしても人材が必要な場合は最小限の人数にとどめるようにしてください。
そもそも、開業時の雇用を最小限にしなければいけない理由は何なのでしょうか。

まず1つ目に、新規開業は大きなパワーが必要だからです。不安定な新人を大量に雇用すると、さらにパワーが必要になる可能性があります。

2つ目に、オープン後はお客様でにぎわうもの、しばらく経つと来客数が一旦落ち着く事が多いです。そうなるとスタッフが不要になるため、オープン初期の雇用は最小限にしなければなりません。

3つ目に、完成されたオペレーションやルールを作っていなければ新人に浸透しないからです。身内や信頼できる方の中で最高の形をつくってから新人を入れることで、正しいルールが浸透します。お客様にとっては、店主も店長もアルバイトも同じ店員です。そのため、スタッフ選びや教育は欠かせません。店主がお店の最高の形を確立したうえで、スタッフに共有することで最高の形を維持できます。

求人方法

求人をかける際は、4つのプロセスを踏む必要があります。1つずつ解説します。

どのような人を雇用したいかを明確にする

条件をしっかりと決めておけば、面接時に見るポイントが定まります。
 愛想がいい
 若い
 清潔感がある
 笑顔で元気
 丁寧
 気配り心配りができる
 テキパキ行動する
など、お客様にとって「良いスタッフ」の要素を明確にしましょう。

お金のかからない方法を実行する

できるだけ利益を残し採用を行えるよう、お金のかからない方法を実行しましょう。

スタッフの紹介

採用方法としてはじめに考えたいのが、スタッフからの紹介です。店主の気持ちを共有したスタッフから仲間を紹介してもらえるため、この方法がいい人材を採用できる1番の方法です。

お店の告知物

また、店内外広告、店外看板ショップカード等の告知物でもお金をかけず採用できます。オープン前に通行人に向けて店舗告知をしたり、営業中に自作チラシを店舗に設置したりすれば、十分な効果を生み出せます。

ハローワーク

さらに、ハローワークへの掲載は無料で掲載できるため、お金がかからない1つの方法です。類似するお店の相場賃金、労働条件、待遇、コメントを把握して優位になる内容にしましょう。しかし、いい人材を採用できる確率は低いです。

求人媒体・サイト

求人媒体を使う場合は、類似するお店の相場賃金、労働条件、待遇、コメントを把握して優位になる内容にしましょう。掲載の際は他の求人より目立つことを意識します。しかし、求人媒体はアルバイトの少数採用や社員採用には向いていないので注意してください。

求人掲載内容

求人掲載内容は以下の通りです。
掲載内容 具体例
お店紹介 内外観、繁盛している写真立地(地図)定休日・営業時間など
スタッフ・経営者紹介 スタッフ(店主だけなら店主のみ)のコメントと写真
労働条件 労働時間、賃金、休暇、賞与の有無、保険、その他待遇
将来性 働いて頑張るとこのような希望があるという将来性
経営者の考え お客様・働く仲間・お店に対してどのような思いを持っているか
見た人が魅力を感じ、応募してくれるような内容を考えてみましょう。

面接

面接は、6つのポイントを抑えて行いましょう。
1. 絶対に遅れず問い合わせ対応をする
2. 必ずオーナーが面接する
3. 整った身だしなみ、立ち振る舞いを意識する
4. 想い・目標・経歴を聞いて、性格や適性を見極め宇
5. 合否基準を作る
6. 面接結果をすぐに伝える

面接後の対応

面接後は2つのことを実施しなければなりません。順に解説します。

労働条件通知書の作成

面接後、採用する場合は「労働条件通知書」を作らなければなりません。雇用する従業員に渡す義務があるため、必ず作りましょう。労働条件通知書で検索しPDFファイルをダウンロードし、目を通しておきましょう。

雇用契約書の作成

労働条件通知書のみでは双方同意の捺印がなく、書面の保管ができないため、雇用契約書を2部作成し、保管しておきましょう。採用した方に作成を依頼する場合は、直筆で記入してもらいましょう。

法律上は雇用契約書の作成は不要ですが、万が一のトラブルに備えて作成しておきましょう。

採用後

採用後は出勤前・出勤日・その後の流れを明確にして伝えます。あらかじめ採用後の流れを決めておきましょう。流れの例は以下の通りです。
1. 採用
2. 必要書類提出(マイナンバー・誓約書・住民票・身元保証書・交通費や通勤経路申請書・給与振り込み口座の登録申請書)
3. ユニフォーム採寸、貸出
4. 勤務開始

求人をかける前に理解する事

アルバイト・就職希望者は、問い合わせ前にインターネットやお店への訪問などでお店を調べることが多いです。駅近・給与が高いなどいい雇用条件がいいお店なわけではありません。求人の条件だけでなく、働きやすい環境・楽しくやりがいのある雰囲気が大切であるため、以下の点に注意してください。
 ネット媒体がない
 インターネットで評判が悪い
 スタッフの態度が悪い
 店の雰囲気が悪い・汚い
 スタッフの仲が悪い
などに注意しましょう。これらの点に注意せず、働きやすい環境・楽しくやりがいのある雰囲気でなければ、労働者は継続して勤務しません。求人をかける前に労働環境を整えましょう。

労働環境の構築

働くうえで労働環境の構築は欠かせません。構築に必要なポイントを解説します。

労働基準法の遵守

雇用する際、賃金・労働時間・休暇・休憩時間等、労働基準法に定められている基準を守らなければなりません。
 個人店だから労働基準法通りに雇用できない
 お金が無いから社会保険に加入できない
というのは決してあってはなりません。労働環境を良くすることにも繋がるため、雇用する場合必ず労働基準法を把握しておきましょう。

労働基準法のポイント

労働基準法を確認する際は、以下の点をおさえておきましょう。
 地域の最低賃金
 労働時間(原則1日8時間、1週間40時間が上限)
 休憩(1日の労働が6時間を超える場合:45分以上、8時間を超える場合:1時間以上)
もし勤務時間が上限時間を超える場合は事前に労使協定(36協定)の申請が必須であるため、覚えておきましょう。

また、労働条件を保つための手段として、アプリの導入です。タイムカード従業員管理を手助けしてくれます。

時間外労働・休日労働に関する協定書(36協定)を把握する

36(さぶろく)協定とは、法定労働時間(1日8時間 週40時間)を超える時間外労働や、休日勤務などを命じる場合、労組などと書面による協定を結び労働基準監督署に届け出ることが義務付けられている協定のことです。届け出ない場合は労働基準法違反となるため、注意しましょう。

労働条件の確定

労働条件は、スタッフとの約束です。法令を遵守したうえで、条件を明確に示し、確実に守りましょう。労働時間・休憩・賃金・割増手当は、法令遵守し設定します。契約期間・業務内容・勤務地・賞与・貸与品・交通費・賄いの有無等を明確にします。これらを行うことによって、いい人材を採用し継続雇用できるようになります。

労働保険に加入する

従業員を一人でも雇えば労災保険、要件を満たす人を雇えば雇用保険に加入する義務があります。事前に保険内容や要件を確認しましょう。

法定三帳簿の作成・保管を行う

雇う側は法定三帳簿と呼ばれる書類を作成して保管する義務があります。法定三帳簿とは、労働者名簿・出勤簿・賃金台帳のこと。万が一従業員ともめごとが発生した場合、重要な参考書類となります。しっかり記録し、保管をしておきましょう。

社員採用について

社員を雇いたいと思った場合は、アルバイトを社員にすることを1番に考えましょう。1番に考えたい理由は、新規で正社員を募集するよりも集めやすく、そして若くて素直な方が多い傾向にあるからです。良いアルバイトがいたなら、共に夢を語り一緒に働いてほしいとアピールすると、きっと将来自分の意思を共有できるパートナーに成長してくれるでしょう。

まとめ

夢を叶えるためには、「誰と働くか」が非常に重要です。あなたの夢を応援し共に歩んでくれるパートナーがいれば、夢を叶えられる日も遠くありません。人材を採用する際には、以下の点をチェックしておくことが重要です。
1. 求人しないと回らない状態で開業してはいけない
2. 十分な利益があり、雇用で利益が増加する状態で求人をかける
3. 求人前にはお店を最高の形にする
4. 開業時の雇用人数は最低限にする
5. 法律に則った労働条件を構築する
6. 知人からの紹介で採用し、厳しければお金がかからない方法で行う
7. 身だしなみを整え、オーナーが必ず面接を行う
8. 採用後の書類は確実に渡し、必要なものは保管する
9. アルバイトから育成し社員になってもらう
9つのポイントをおさえ、しっかりと考えて求人を行いましょう。
求人や採用方法についてお困りごとがありましたら、長年のノウハウと経験のあるウルトラフーズにぜひご相談ください。

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